中村 周平(なかむら しゅうへい)氏の作品を紹介します。
気持ちを新たに迎えた新年
七草がゆもいただき早十五日正月を迎えました。
一年の邪気を払うためにと十五日の朝、小豆粥をいただきました。
小ころばあちゃんの背中で暖かい綿入れのはんてんに
包まれながら聞いていたこんな歌を思い出します。
「正月三日なにうれし、雪より白いまま食べて、
割木のようなととそえて、おこたにもたれてねんねこしょう」と
私は昭和に生まれ、明治、大正生まれの人々の愛の中で育てられ、
昭和、平成を生きてきました。
自分の身辺社会のなに一つとっても大きな大きな変化に驚きを禁じえません。
ことばを持たない庭の木々なども自然の移り変わりや吹く風から
何か変化を感じているのでしょうか。
今は静かに何の変化もない様子をして芽吹く春を待っているようです。
こぶしの冬芽だけがふわふわのやわらかい毛に包まれ、
ずいぶん大きく膨らんでいます。
(つばき)