鈴木 大弓(すずき ひろゆみ)氏の作品を紹介します。
乳白色の空に灰色の雲が一面に広がり、
雨に濡れた傘を干す間もないほど重苦しく
湿気を帯びた空気が連日漂っています。
幸いにも夜半に雨が降っているらしく、早朝、小さい川に
濁った水がゴーゴーと大きい音を立てています。
この雨で潤っている苔や木や草はのびやかに庭を飾っています。
赤、白、紫、緑色といろいろの紫陽花もその盛りを過ぎ、
今は小さい一日花のヒオウギや、秋の花だと思っていた
紅、白のなでしこ、ききょうがたくさん咲いています。
そして草刈りで残されたねむの木にも花が咲いています。
薄紅色の糸のようなねむの花はとても繊細で触ってみても空気のような。
でも夜になると小さな葉が閉じて眠っているように見えるとか。
子供の頃、前後の句は忘れましたが「ネームねよねよ朝はよ起きよ」とか
歌っていたのを思い出します。
何よりも青空が恋しい毎日です。
(ねむのき)