篠原 希(しのはら のぞみ)氏の作品を紹介します。
我が家の周りの田んぼの稲刈りが始まりました。
夏のギラギラとした日差しや入道雲などは
いつの間にかすっかり影を潜め、うろこ雲や
すじ雲が美しく浮かび秋そのものです。
秋はどこからともなく忍び寄ってきたものだと思っていましたが、
こんな濃い青い空や雲を見ていると
案外空からやってくるのではと思ったりもします。
もう長いことで習慣になってしまったマスクを外し
頬をなでる風のにおいや涼やかさを時々感じています。
ざわっと風にその身を任せたように咲いているはぎの花、
赤・白のふじばかま、かえりざきのわれもこう、あきざきのぎぼうし
木や草や花を見て、きゅんと切なかったり、
すぐ気持ちがあふれそうになったり、どの季節よりも
秋は心にやってくる気がします。
私だけでなくだれもがそうおっしゃいますよね。
今年も忘れずやってきてくれたのが
アサギマダラと言う蝶でした。
昨年のように多くはありませんでしたが、
ふじばかまにとまって、私たちが懐かしい人にお会いして
お話しているかのようなものでした。
(はぎ)