鈴木 大弓(すずき ひろゆみ)氏の作品を紹介します。
立冬の七日
信楽は今季一番の冷え込みとなり
各家庭では何をおいても暖房や冬着の準備にと
忙しくしていましたが
各地でも冬の訪れを告げる木枯らし一号が
吹いたとテレビで発表
昨年より四日早いとかで。
夜半も庭の木々や籔の竹をざわざわと震わせる音で
目が覚めましたが、翌朝見ると
まだ色づいていない木々の間を風が通り過ぎただけのようで
荒れた気配はありませんでした。
でも次の日から毎朝屋根に真白い霜が降り
どうだんつつじは刈込の形を朱に彩り
垣根の山茶花も少しづつ咲き始めました。
昼間はいつもの年より暖かいのでは、
今の時期なら小春日和というそうですが
ぴったりとこなく、真っ青な空を仰ぎながら
いつもさわやかな風を感じています。
信楽は今、「山粧」と表現する季節です。
草木が化粧するように色づき、
まるで山が生きているように加速度をつけて
日々変化しているのです。
観察をし、その様子をよく見て楽しみたいと思います。
野菊が今を盛りに咲いています。
(のぎく)